春は卒業、入学といった子どもたちにとっても人生節目の季節。地元の大沢住民協議会の会長をしているので、毎年、おおさわ学園の第七中学校、大沢台小学校、羽沢小学校の3校から、来賓として卒業式と入学式のご案内をいただく。私にとっては、数ある地域のセレモニーの中でも楽しみにしている出来事である。
自分のこどものときは只々我が子の成長が嬉しく、他人のこどものことは、関心を持つゆとりはなかったような気がする。今、孫の世代となった大沢学園の子どもたちの卒業・入学を見ていると、いつも感動を覚える。
私の子供の頃とは違い、代表が送辞や答辞を述べるのではなく、全員が一人づつ短いメッセージを先生や保護者、来賓に向かって精一杯大きな声で伝える。一生懸命練習したであろう合唱も本当に素晴らしい。いつも胸が熱くなる。
親は、子が生まれたときにいのちをつないだという思いを持つ。しかし、生まれただけでは人間としては生きていけない。人は社会の中で生きる。家庭だけでなく、学校や地域も子が社会で生きていくうえで、大切な場なのだ。卒業式や入学式に立ち会うたびに、こうして人はいのちをつなぎ、社会で生きるための文化をつないでいくのだな、と実感する。
大沢ガーデンも4月1日に二人の若い女性が入社した。ふたりとも大学で造園学を学び、未来の造園家を目指して、社会人としての第1歩を踏み出した。ここにも、いのちと文化をつなぐささやかな営みが、始まろうとしている。